プロテインなどのサプリメントのOEM受託サービス「サプリスタンダード」です。
この記事では、プロテインが工場でどのように作られているのかについてお話します。
- プロテインの作られ方について知りたい方
- プロテインのOEMに興味がある方
- 国内のプロテインメーカーがやっていることを知りたい方
ぜひ最後まで読んでみてください。
なお、「プロテインをOEMで作ることは決まっている。あとは製造を依頼するOEMメーカーを探すだけだ。」という方は、ぜひ私たちサプリスタンダードにお問い合わせください。無料でご相談・お見積りが可能です。
もくじ
プロテイン製造の2つの局面
商品として売られるプロテインが完成するまでには、大きく分けて2つの局面があります。
- プロテイン原料を製造する局面
- 最終製品を製造する局面
ここからは、これら2つの局面についてお話します。なお、国内でもっとも多く流通しているプロテインの種類はパウダー形状のホエイプロテインです。そのため、ホエイプロテインパウダーの作られ方について詳しく解説します。
他のプロテインの種類について詳しく知りたい方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。
ホエイプロテイン原料ができるまで
ホエイプロテイン原料は、牛乳に含まれるホエイたんぱくを濃縮したものです。
ホエイは、牛乳からチーズや脱脂乳を作るときに得られる副産物です。
チーズからホエイプロテイン原料を作る
ホエイプロテイン原料の多くは、チーズ由来のものです。なお、チーズからつくられるホエイプロテイン原料は、チーズホエイと呼ばれます。
凝固分離
チーズを作る時は、まず牛乳を固める必要があります。牛乳を固めるために、酸やレンネットいう酵素が用いられます。
酸やレンネットを使うのは、牛乳に含まれるタンパク質の性質を利用するためです。牛乳のタンパク質は、カゼインとホエイの2つから構成されています。カゼインが約80%、ホエイが約20%の割合です。<参考:乳たんぱく質 | イノベーションストーリー | 森永乳業の研究開発>
これらのうち、カゼインには、酸性のものに触れると固まるという性質があります。
固められた牛乳は、固体のカード(凝乳)と液体のホエイに分かれます。カードから取り出されたホエイが、ホエイプロテインのもとになるのです。
UF処理とWPC
UFとは、Ultrafilterationの略です。日本語では、「限外ろ過」といいます。
UF処理は、膜を用いたろ過方法の一種です。カードから取り出したホエイを専用の膜(ろ膜)に通すと、分子の大きいタンパク質が保持されます。一方、塩や水、脂質、そして乳糖などの多くは、膜を通り抜けます。UF処理をおこなうと、ホエイに含まれるタンパク質を取り出すこと(=濃縮)ができるのです。
UF処理によって濃縮したホエイたんぱくを乾燥させると、WPC(Whey Protein Concentrate)とよばれるホエイプロテイン原料が得られます。
WPCの特徴は、製造コストが安いことです。そのため、市場に流通しているホエイプロテイン製品の大半がWPCを使用しています。一方、ある程度の乳糖や脂肪を含むことも特徴です。
CFM・イオン交換製法 とWPI
UF処理によって濃縮したホエイたんぱくから、さらに乳糖や脂肪を取り除くこともあります。
さらに純度の高いホエイプロテイン原料を作る際には、2つの方法が用いられます。
1つは、イオン交換製法です。イオン交換製法では、正味電荷の違いを利用して、乳糖などをホエイタンパクから分離します。<参考:How Whey Protein is Made>
もう1つの方法は、CFM製法(Cross Flow Microfilteration)です。CFM製法も、専用の膜を用いたろ過の一種です。化学物質を使わずにホエイタンパクを分離できることなどが特徴です。<参考:Cross Flow Microfilteration>
乳糖などを取り除き、さらに純度を高めたホエイプロテイン原料を、WPI(Whey Protein Isolate)といいます。WPIはWPCよりもタンパク質含有率が高いです。一方、製造工程が複雑なことや、含まれるタンパク質が多いことから、販売価格も高いです。
脱脂乳からホエイプロテイン原料を作る
脱脂乳からホエイプロテイン原料を作ることもあります。脱脂乳由来のホエイプロテイン原料をアシッドホエイといいます。アシッドホエイはチーズホエイよりも生産量が少ないです。しかし、チーズホエイと比べると、アシッドホエイはロイシンをはじめとするBCAAの含有率が高いなどの特徴があります。<参考:LABO カラダづくりに関する研究 VOL.2 プロテインの種類>
遠心分離
脱脂乳を作るには、まずは牛乳の脂肪を取り除く必要があります。
牛乳を遠心分離することで、牛乳は脂肪(クリーム)と、脱脂乳に分かれます。クリームは、最終的にバターなどの製品をつくるのに利用されます。
なお、脱脂乳からカゼインプロテインがつくられることもあります。カゼインプロテインのOEMに興味のある方は、こちらの記事もご覧ください。
UF処理、乾燥
脱脂乳にUF処理を行い、乾燥させることで、WPC原料が得られます。
なお、製造コストなどの関係上、脱脂乳からWPI原料を製造することはあまりありません。
プロテイン原料の製造地
日本のプロテインメーカーは、国外からホエイプロテイン原料を輸入しています。
ホエイプロテイン原料は、牛乳の生産が盛んな地域で製造されています。ホエイプロテイン原料の主な製造地域は以下の3つです。
- 北米
- ヨーロッパ
- オセアニア
ホエイプロテイン原料の性質などは、サプライヤーや製造地域によって異なります。そのため、原料の調達は、作りたい商品との相性を考えておこなうことが大切です。
プロテインの最終製品ができるまで
ホエイプロテイン原料ができても、それがそのままお客様の手に届くわけではありません。
ホエイプロテイン原料自体は、非常に飲みづらいものです。牛乳特有の匂いが味があり、水にも溶けにくいです。また、水に溶かすと泡立ってしまいます。
そのため、お客様に販売できる商品を作るには、さらなる作業が必要です。国内のプロテインメーカーがおこなっているのは、以下の工程です。
処方の設計
ホエイプロテインパウダーの製造における処方とは、製品の成分を決定することです。処方の内容によって、プロテインの飲みやすさと栄養の充実度が決まります。
プロテインの飲みやすさは、風味、溶けやすさ、泡立ちにくさで決まります。飲みやすさは、甘味料や香料などを使って調整します。
プロテインの栄養の充実度は、タンパク質含有率が主な指標となります。製品のコンセプトによっては、ビタミンやミネラルなどの微量栄養素を加えるときもあります。
ホエイプロテインパウダーの処方の難しさは、バランスにあります。飲みやすくしようとすると、甘味料などを増やさなくてはならないため、タンパク質含有率は下がります。しかし、タンパク質含有率にこだわりすぎると、飲みづらい製品になってしまいます。製品のコンセプトに照らし合わせて、飲みやすさと栄養の充実度のバランスをとることが大切です。
計量・充填
何をどれだけ入れるかが決まったら、次に各原料を計量し、混ぜてパッケージに充填します。
国内で流通しているプロテインの多くは、パウチ形状(袋)のパッケージを採用しています。パウチは汎用性が高く、低価格で仕入れられることが主な理由です。
なお、海外のメーカーでは、ボトル形状のパッケージが用いられていることがあります。耐久性があり、穴が開きにくいことや、内容物を取り出しやすいことから、多くの製品で使用されています。
造粒
メーカーによっては、造粒をおこなっている場合があります。
造粒とは、粉末を結合させて原料よりも大きい顆粒にすることです。造粒をおこなうと、溶けやすいプロテインを作ることができます。しかし、製造コストが高くなるというデメリットもあります。
よって、造粒を効果的におこなうには、一定以上の生産量・販売量を確保する必要があります。
品質検査・出荷
すべての工程を終えたら、製品検査をおこないます。
製品検査では、異物の混入がないかや、表示量より少ない製品が混ざっていないかなどを調べます。
検査で製品に問題がないことがわかったら、梱包して工場から出荷します。
まとめ
プロテインを作る時に、工場で何がおこなわれているかをご説明しました。
プロテインの製造には、さまざまな知識や設備が必要です。サプライヤーの選定や処方の決定には、特に専門的な知識が求められます。
また、今回はわかりやすくするために、ホエイプロテインパウダーに限定してお話しました。しかし、市場に流通しているタンパク質補給食品には、さまざまな原料・形状の製品があります。原料や形状ごとに、求められる知識や製造設備は異なります。よって、プロテイン製造の経験がない企業様の場合、自社で1からプロテインを作成するのは困難だといえます。
そのため、プロテインを作りたいとお考えの方は、プロテインのOEMをおこなっているメーカーに相談することを強くおすすめします。経験のあるプロテインのOEMメーカーに製造を依頼することで、お客様から信頼される商品を作ることができるでしょう。
プロテインのOEMならサプリスタンダード
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